外反母趾、靴下で改善 広島大と地元企業が共同開発
ハイヒールなどの影響で、女性の2割が悩むとされる外反(がいはん)母趾(ぼし)
の人向けの靴下を、広島大学と広島県東広島市の靴下製造会社が共同開発した。足の
親指が外に向き、親指の付け根が痛くなる症状を改善するだけでなく、踏ん張れるよ
うになって歩行バランスが向上するという。お年寄りの転倒防止にもつながると期待
されている。
開発したのは、広島大学保健学研究科の浦辺幸夫教授(スポーツリハビリテーション
学)と、コーポレーションパールスター。2年半前から産学連携事業として製作して
きた。特許出願中で、11月1日から広島大学病院の売店や、広島市中区の東急ハン
ズなどで販売している。今月中旬からは全国の東急ハンズなどでも扱う。
靴下の特徴は、足の指を開く時に使う筋肉「母趾外転筋」を押し上げるパッドを内縫
したこと。この筋肉が刺激され、親指を元の位置に戻す効果がある。パールスターの
新宅光男専務取締役によると、最も苦労したのはパッドの素材選びだった。通常の繊
維は水分(汗)を含むと硬くなるため、試作を重ねて水分を吸い込まず、かつ柔らか
い繊維にたどりつき、商品化にこぎつけた。足先は足袋(たび)のように、親指とそ
れ以外の部分に分け、親指が伸びやすいようにした。
浦辺教授は、外反母趾の角度が20度以上の高齢女性20人を対象に調査した。靴下
をはくと、外反母趾の角度は平均10.4度減少。3カ月間はいた後の角度は、はだ
しの状態で平均6.3度減少した。同じ距離を歩くのにかかる時間も短縮されたとい
う。
浦辺教授は「無理なくはき続けることができるようで、驚くほどの結果が出た。高機
能の日用品を提供し、足元からの健康増進を図っていきたい」と話す。サイズは22
〜23センチ、23〜24センチ、24〜25センチ、25〜26センチの4種類。
価格は3150円(税込み)。問い合わせは、コーポレーションパールスター(08
46・45・0116)へ。(辻外記子)