●75歳以上の人を対象とする後期高齢者医療制度を廃止するために、長妻
昭厚生労働相が設けた改革会議が中間報告の案を出した。
1400万人の対象者のうち1200万人を市区町村の国民健康保険に戻し、
財政運営を都道府県単位に広げる。勤め続ける人や会社員などに養われ
ている200万人は、企業の健康保険組合や公務員共済に移すという。
日本経済新聞 7月24日
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佐々木の視点・考え方
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★悪名高かった後期高齢者医療制度。
民主党のマニフェストには「廃止する」とあったかと思えば、今も有効
に機能していると言う。
ただ、後期高齢者医療制度は廃止するとの厚生労働大臣の肝いりで、
高齢者の代表、関係団体の代表、有識者の計19名からなる高齢者医
療制度改革会議を設置してある程度の方針が決まったようだ。
要は、年齢や所得で区別して都道府県に任せるというもの。
後期高齢者医療制度の最大の問題点は、家族関係や医療保険の連続性
等を考慮することなく、75 歳に到達した途端に、これまでの制度から
区分された独立型の制度に加入させる。
これが多くの人から差別的な制度と受け止められた。
又、、高齢者の医療費の増加に比例して高齢者の保険料が増加するため
将来に不安を抱かせるものともなっている。
これを都道府県主体で国民健康保険に主として組み込むというもの。
現在のシステムから多く逸脱しないためにはこういう結論だろうなと
言う内容。
この問題の論点は、国のシステムが費用負担が「誰がどれだけ」という
問題をクリアにしてこなかったことと、医療費の今後の後期高齢者分の
支出がとてつもなく増え、下手をすると税収の全てを後期高齢者医療費
にしなければいけなくなる規模に達することを知らせてこなかった。
この問題の背景が広く国民に共有されていないのが現状なので、どの
ような制度変更をしたとしても国民全体の怒りを買うことになろう。
何故なら、これまでの高齢者向け医療で、高齢の患者からの費用負担が
殆んどなかったと言う有り得ない状況からの議論になるからだ。
今は何気に1つの審議会の答申みたいに流れているが、5年後、10年
後には日本経済を揺るがし、政局も大いに変えてしまう話題にまで成長
するはずだ。
覚えて置かれるが宜しい。