1年以上妊娠しなかった後に治療を受けなくても半数弱が子どもを授かっている
妊娠を望み、避妊せず1年間妊娠に至らなくて、その後、不妊治療を受けなくても、
ほぼ半数弱のカップルは、結局、お子さんを授かっていることが、28〜36歳のオ
ーストラリアの女性を対象とした試験で明らかになりました。
この調査は、ALSWHというオーストラリアの健康保険のデータベースから無作為
に抽出された1973年から1978年生まれの女性を対象とした健康に関する大規
模な調査結果を利用して実施されました。
28〜36歳の7,280名の女性の中で、妊娠を望んでいるにもかかわらず1年以上妊娠出
来なかった1,376名の中で、体外受精や排卵誘発剤を使った不妊治療を受けた女性の
うち53%が、全く不妊治療を受けなかった女性で43.8%がお子さんを授かっていたこ
とがわかりました。
また、過去に妊娠、出産の経験のある女性は経験のない女性に比べて、体外受精を受
ける割合が低いことも分かりました。
子宮外妊娠や死産、早産、低出生体重児の生れる割合が治療を受けた女性と受けなか
った女性の間では顕著な違いは見られなかったとのことです。
不妊症と診断された女性でも半数弱は治療を受けないと妊娠が望めない絶対不妊では
なく、相対不妊であることがわかったしています。
[解 説]
日本での不妊症の定義は、避妊しないで2年間妊娠しないこととされていますが、海
外では1年とされているところが多く、多くの専門家も1年以上妊娠しなければ検査
を受けることを勧めています。
検査の結果、明らかな不妊の原因が判明すれば、治療を施すことになりますが、そう
でなかった場合は、治療を受けるべきかどうか迷うカップルのいるでしょう。
もしも、女性の年齢が35歳以上であれば別ですが、そうでなくて、かつ、不妊治療
を受けることに気が進まなければ、慌てずに自然妊娠を期待して様子を見るという選
択肢もあり得ることを示しています。