救急・外科に重点配分 厚労省が診療報酬改定の骨子案

救急・外科に重点配分 厚労省が診療報酬改定の骨子案

10年ぶりに全体でプラス改定となる2010年度の診療報酬改定について、厚生労
働省は13日、中央社会保険医療協議会(中医協)に報酬配分の骨子案を示した。救
急や外科医療の再建のため、新生児集中治療室(NICU)や手術料の報酬を引き上
げる。15日に改定案をまとめ、国民の意見を募る「パブリックコメント」の手続き
に入る予定。

医療機関に支払われる診療報酬のうち、医師の治療行為や入院料など「本体部分」は
1.55%引き上げられ、約5700億円増える。今後、個別の医療行為に価格を付
けて配分する作業が本格化する。

骨子案では、救急や産科、小児科の報酬を上げる。救急搬送を受け入れる病院への加
算を引き上げ、「たらい回し」問題へ対応する。また、NICUの満床状態が周産期
救急で問題となっており、NICUを出た後に引き受ける病床への報酬を厚くし、N
ICUのベッド確保を目指す。

減少が続く外科医にも手厚くする。手術料全体の報酬を引き上げ、高度で専門的な手
術の報酬に重点配分する。

手厚い配分の背景には、昨年末の予算編成過程で決められた政府方針が影響している
。従来と異なり、政府が自ら、早期の手厚い治療が必要な入院患者への医療に4千億
円程度をあてるなど、大幅な配分見直しに踏み込んで決めたからだ。

一方、病院と診療所の格差が指摘される再診料については、「統一する方向で検討」
との記述にとどまった。診療所(710円)に合わせて、病院(600円)を引き上
げる意見と診療所の引き下げを求める意見が対立。調整は難航するのは必至だ。

病院勤務医の負担を軽減させる取り組みで、救急病院などを受診した軽症患者の扱い
については、結論を15日に持ち越した。一定の条件で通常の自己負担とは別の料金
を徴収できるようにする措置に対し、患者など支払い側委員は削除や慎重な検討を求
めた。一方、医師ら診療側委員は、薬だけをもらいにくるケースなどで現場が疲弊し
ていると理解を求め、議論を続けることになった。



Posted by バット. at 2010年01月14日19:48

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