不妊治療携わる胚培養士養成 岡山大農学部がコース新設
岡山大学農学部は16日、体外受精など生殖補助医療(不妊治療)で卵や精子を扱
う胚(はい)培養士らを養成する「生殖補助技術キャリア養成コース」を4月から新
設する、と発表した。2013年度からは医学部保健学科にも同様のコースを開設す
るという。
農学部によると、学部にこうしたコースを設ける大学は日本初という。最近は夫婦
7組に1組が不妊とも言われる。夫婦の受精卵などを扱う胚培養士らは、不妊クリニ
ックなどで必要な人材だ。体外受精や卵子の凍結保存などを担う。
こうした人材は、畜産など卵子を扱う機会の多い農学部や、医学部保健学科の出身
者が多い。岡山大出身者も多く、毎年5人程度の卒業生が胚培養士や臨床エンブリオ
ロジストになる。それぞれ、日本哺乳動物卵子学会や日本臨床エンブリオロジスト学
会が認定する資格で、計約1千人の認定者がいるという。
奥田潔農学部長は「医療現場の基本的知識と、即戦力となりえる技術を兼ね備えた
技術者を養成したい」と話している。