飲み会、終電でフラッ…気付くと病院ベッド「気絶」
終電車で帰宅途中だったMさん(62)。自宅の最寄り駅まであと2駅というところ
で事件は起きた。何が起きたのかわからない。気がついたら病院のベッドだったとい
うMさん。いったい何が起きたのか…。
都心から電車で1時間少々の郊外に暮らすMさんは、小さなメーカーの役員。その日
も会社の上層部の打ち合わせを兼ねた飲み会で遅くなり、ギリギリで終電車に飛び乗
ったのだった。
「ドアの横に立って本を読んでいました。特に何かの症状に気付くこともなかったの
ですが…」というMさんが、あとで聞かされた話はこうだ。
電車の走行中に、突然しゃがみ込むようにして床に崩れ落ちた。次の駅で乗客が協力
してホームにおろし、駅員が呼んだ救急車で病院に搬送された。病院で救命処置を受
け、意識が戻るまでの事情を、当人はまったく覚えていない。“気絶”していたのだ
。
検査の結果下された病名は「大動脈弁狭窄症」。東邦大学医療センター大橋病院心臓
血管外科教授の尾崎重之教授が説明する。
「心臓から送り出される血液が、動脈の“弁”の故障で正常に流れなくなっている状
態。本来血液が行くべき脳が虚血になれば気絶するし、当然心臓も疲れるので、最悪
の場合は突然死を招くこともあります」
そのリスクを高める要因にストレスがあると尾崎医師は指摘する。
「大動脈の弁が動脈硬化などによって石灰化していくことが最大の原因。このプロセ
スにおいて、病態の進行を加速させるのがストレスと喫煙です。特にストレスの関与
は以前から指摘されており、“A型行動パターン”とよばれる完璧主義者や神経質な
人ほど、危険性は高まります」
確かに、Mさんの会社も景気の悪化で業績は急降下中。ストレスは最大限に増幅し、
勢いたばこの数も増えていた。つまり、起きるべくして起きた“気絶”だったのだ。
景気の善しあしは、確実に人の命を左右する。
近く手術を受けることが決まったMさん。今も病床で仕事の心配をしているというか
ら気の毒だ。
怖い話ですねえ、、
北斗鍼灸院HP